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【第六話】企業で働くことと事務所で働くことの違い

こんにちは、知財キャリアコンサルタントの荒川です。

毎週、知的財産業界でのキャリアアップを目指す方々に、業界の動向や採用状況をお伝えしながら、転職活動の支援を行っております(たまには、転職しない方がいいケースもあり、その場合にも、正直に、ご自身を高く売るための技とタイミングをお話ししております)。

今回は、最近お問い合わせの多くなりました「企業知財部門」での勤務希望について、お取引先の状況を踏まえて、コラムを書きたいと思います。

まずは、私自身、パテントビューロには転職して入社した訳ですが、その前は三菱商事という大きな会社の小さな子会社で人事をやっておりました。法務や商標管理業務も一部担当しておりましたが、そこはサラリーマンですから、社外の専門家(弁護士、司法書士、社労士の方々)と連携しながら、業務を遂行しておりました。

その経験から言えることは、サラリーマンは「雑用」も仕事。「異動」も仕事。「キャリアとは関係無い、やりたくないこと」も仕事。だということです。弁理士を望む方であれば、基本的には、企業勤務はお勧めできないかなというのが感想です。

実際に、企業の知的財産部門にお勤めの方は、どういうキャリアになるのでしょうか。

私がカウンセリングをしている方々で、新入社員当時から知的財産管理を一貫している方はほとんどおりません。研究開発や設計・製造部門出身の方で、5年?10年の経験を経て、人事異動で移られた方が多く見受けられます。
一部、新入社員として知財部門に配属されて、知的財産に興味を持ったので弁理士を目指したいと特許事務所への転職を希望される方もおりますが、大体20台の半ばの方が多いですね。

特許事務所で働くということは、どの職種であっても、知的財産管理のスペシャリストになるということになります。
大手企業にありがちな、社内稟議や、稟議前の交渉という名の一見無駄な時間も必要がありません。企業人としては、社内でどのように動くかということはとても重要なことです。給与を高めるためには、組織の中で、組織の理論で、活躍できる人材にならなければいけませんから。

でも特許事務所は、独立できるほどの専門家にならなければなりません。そのためには、多大な努力と時間が必要です。知的財産を管理するために必要なことは過剰なほどに追求する代わりに、無駄なことはできる限り排除していかなければなりません。

そういった、企業と事務所の働き方の違い、求められていることの違いを十分に理解して、まずは企業を目指すのか、事務所を目指すのか明確にしてみましょう。それができなければ、どちらにも転職することは難しいと考えてください。

もちろん同時に、企業と事務所を受けることは可能です。でも、特に知的財産業務未経験なのであれば、自分自身が組織の中で生きて「給与」を得るのか、スペシャリストとして身を立てて高額な「報酬」を得るのかは、きちんと考えてみてください。