研究活動や創造活動の成果を、知的財産として、戦略的に保護・活用し、我が国産業の国際競争力を強化することを国家の目標とする
小泉元総理大臣は、2002年2月の施政方針演説でこう宣言しました。
産業の国際競争力を強化し、経済を活性化していくためには、技術、デザイン、ブランドといった知的資産を戦略的に保護・活用していくことが重要です。
同年11月には知的財産基本法が成立し、日本は、それ以降「知財立国」に向け大きな歩みを始めたといえます。
情報化・グローバル化が進む21世紀において、知財戦略は価値ある情報の創造・保護・活用を通じて国力を高め、豊かな国 【日本】 を維持するための土台となります。価値ある情報の典型が技術、ブランド、コンテンツといった無形資産であり、情報社会といわれる21世紀の基盤になると考えられています。
こういった社会的背景から、知財に関する国民の注目度が増し、知財に関わる職業が、近年、就職・転職先として人気となっています。
知財を創造・保護・活用するには実に多くの専門家が必要となります。弁理士がその代表ですが、有資格者は全国約6千人に過ぎず、企業で知財関連の業務に携わる人を含めても知財に関わる人材は、約6万人といわれています。社会全体でみれば、圧倒的な専門家不足であり、政府は、知財人材の育成を最重要課題に掲げています。
2006年1月に取りまとめられた「知的財産人材育成総合戦略」では、今後10年間で知財専門人材を現状の6万人から12万人に増やすこと等が掲げられています。
単純な量的な拡大では意味がなく、質的な改善・再構成を図りつつ、新しい意味での知財人材を12万人輩出することが必要となっています。
例えば弁理士でいえば、特許の出願や中間処理をコア業務としつつも、それだけをやるというのではなく業務の幅を広げていく必要があります。
また、業界のロールモデルとなるような人物を輩出し、若い人がこの業界を目指そうと思えるような環境づくりも重要になってきます。知的財産に関わるトラブルが企業経営の根幹を揺るがしかねない可能性がある昨今では、高度な知識を持つ人材の確保は急務です。
こうした中、知的財産管理技能検定は、人材育成と能力評価の強力なツールとして期待されています。
実際に大手企業では、知的財産管理技能検定を社内研修での勉強用資料として利用したり、学習成果の判断材料として利用しています。
比較的受検しやすい知的財産管理技能検定2級は、経営企画・営業といった知財と少し離れた業務を行う社会人や学生などの多くの人が知財を学ぶきっかけとなっています。このように国民全体が知財への知識力・関心を高めていくことは、知財立国に向けた重要な動きです。