「知的財産管理技能検定」とは、国家資格制度である技能検定制度の職種の一つである「知的財産管理」職種にかかる検定です。知的財産教育協会が2004年より実施してきた「知的財産検定」が、2008年7月より完全に移行したものが本検定であり、民間資格であったものが国家資格として認定されました。引き続き知的財産教育協会が指定試験機関となっています。まだ資格としての歴史は浅いですが、第1回知的財産検定(旧知的財産管理技能検定)から約1220人の方が受検しました。2006年度第2回検定(2006年7月9日実施)における受検者数は約3200名と、弁理士や企業知財部といった狭義の知財人材に限らない幅広い受験者層を対象とし、知的財産業界において一定の権威を確保したといえます。そして現検定である知的財産管理技能検定(第1回)では約5500名、第2回知的財産管理技能検定では約7000名とビジネスに活かせる資格として注目され、知的財産に関する媒体に限らず、様々な媒体で【役に立つ資格】【将来性のある資格】として取り上げられており、知名度も年々増しています。団体受検する企業も、多くの知的財産を抱える大手企業が名を連ね、注目度の高さが伺えます。
知的財産に関する資格の代表格である「弁理士」資格は合格率1桁代の超難関資格です。それゆえ、敷居が高く、これまで知財に関わる資格の勉強として気軽にできるものがありませんでした。
そこで、知的財産管理技能検定では1級、2級、3級といった形の3段階の級制度をとり、受検生の目的および学習レベルにあわせて受検できる点が大きな特徴です。
旧知的財産検定では、科目受検制度が認められ、1.特許・実用新案 2.意匠・商標 3.著作権・不正競争防止法等の3つのうち1つから受検することが出来ましたが、現知的財産技能管理検定では学科と実技試験に分けての受験となっています。実技は筆記に加えて、1級のみ口頭試験が行われます。学科・実技両方に合格することで合格と見なされ合格証が発行されます。片方のみの合格者には一部合格証が発行され試験免除制度に利用できます。一部合格者には試験免除制度が認められ、学科試験の合格者には実技試験の、実技試験の合格者には学科試験の免除が翌々年度まで認められます。
開催地も東京のみならず、大阪、名古屋、岡山、札幌、福岡が追加されるなど、年々受検する環境も整備されています。さらに2009年7月12日の第4回試験からは実施地区に宮城・石川などが追加され、知名度の向上が伺えます。
知的財産管理技能検定の試験内容には以下の二つの特長があります。
- 特許・実用新案・意匠・商標・著作権などに代表される知的財産に関する幅広い知識が問われること
- 業務上頻繁に必要となる知識について問われ、業務知識と法律知識がバランスよく出題されること
法律知識のみではなく業務知識があわせて問われるのは、「知財部スタッフとしての能力評価指標」という役割を知的財産管理技能検定が担っているためです。受検者は、この検定を通じて「自己の業務等における知的財産全般に関する問題点を発見し、対処できるようになること」が求められています。
最近の試験では更に法律知識よりも更に業務上必要となる知識が重視される傾向にあり、学科試験・実技試験の合格率の動きからそれが伺えます。
では、1級と2級はどのように違うのでしょうか。
各級受検者数に占める認定者の割合 1級は、知的財産に関する問題解決能力(特に特許専門業務)を総合的に評価するもので、企業の知財部や法務部、さらには弁理士などの専門家を対象としています。合格率約7%の最難関の試験としても知られ、知的財産管理技能検定1級を取得していれば、ヘッドハンターから声がかかるともいわれています。1級の合格の目安として、学科が正答率80%、実技が正答率60%とされています。1級の実技試験を受けるためには1級の学科試験の合格者である必要があるため、同回の受験は不可能です。1級の学科試験の合格率は7%程度、実技試験は第2回に限れば受験者は全員合格しています。
1級は受検者のレベルも高く、受検者の知財業務経験年数が平均7.1年というアンケート結果もでています。それだけ希少価値の高い資格といえます。
2級・3級は、もう少し敷居を低くし、知財部等の専門部員に限らず、研究開発、経営企画、広報、営業など企業人全般や学生なども含めた幅広い人材を対象としています。弁理士受験生の弁理士試験予備練習としてや、就職・転職の際の自己PR項目としても活用されており、検定の用途が多岐に渡っていることが伺えます。 合格の目安として、2級が学科・実技ともに正答率80%、3級が70%とされています。
2級の学科試験の合格率は第1回が約50%、第2回が約30%、2級実技試験の合格率が第1回が約50%、第2回が15%程度であることから、実務重視、且つ難化の傾向が伺えます。実際に受けられた方の声を聞く限りでは、問題は実際の業務に即したものになっていて、実務経験がないと答えるのは難しいとのことでした。
3級の学科試験・実技試験の合格率は共に第1回が90%以上、第2回が70%以上と比較的合格しやすい部類といえますが、やはり実務重視、難化の傾向は見られます。